第2次ITバブル崩壊を経て実現したくなったシアン・ホールディングス構想
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第2次ITバブル崩壊を経て実現したくなったシアン・ホールディングス構想

株式会社シアンの取締役CFOをさせてもらっている堀です。

2021年12月以降に起こったグロース市場株価の暴落を「第2次ITバブル崩壊」と捉え、この経験からシアンで実現したいと考えるようになった構想をお話させてもらいます。

2022年における株式市場の変化とスタートアップ資金調達環境の悪化

旧マザーズ市場の推移

グロース市場株価の暴落

2021年12月頃より、グロース株を中心に全世界の株式指数が暴落しました(主な原因は、米国利上げによる信用収縮と言われています)。その中でも特に下落幅が大きかったのは、2020~2021年に赤字上場(=N期赤字でIPOした)銘柄であり、多くの銘柄が1年間で1/2~1/4まで下落してしまったと感じています。

IPO及び未上場ファイナンス環境の悪化

上記下落を受け、2022年2月以降、IPO環境において以下の大きな異変が起こりました。

IPO環境における変化
  • 機関投資家のリスクオフの動きにより、グロース株の中でも最もリスクが高い部類にあるIPO株への投資が抑制された

  • その中でも、特に赤字上場(N期赤字)の銘柄には注文が入らず、大手主幹事証券は赤字上場の引受を停止

  • 10-11月に赤字上場銘柄を何社か引き受けたものの、PSRベースで2倍程度の低バリュエーションであった(イメージとして、従来の1/5程度の水準)

未上場ファイナンスにおいても、従来はARR(≒売上)の10倍以上のハイバリュエーションをつけての多額の資金調達を実施し、赤字を掘りながら先行投資をして売上成長率の最大化を目指すことが市場参加者から歓迎されていましたが、従来の1/3程度のバリュエーションしか許容されなくなってきた肌感を持っています。

スタートアップ経営者としての振り返り

2016~2021年までの時期をSaaSを中心とした第2次ITバブル期と捉えるとして、この時期はあくまでバブル期であって、正常なバリュエーションがなされていなかったと振り返っています。なので、「しばらく待てば市場環境が戻り、2021年以前のようなバリュエーションで資金調達ができる」という期待は捨てなければならないと思っています。

また、個人的には、投資家からハイバリュエーションで資金調達をし、高い売上成長率を最重要指標にせざるを得ない経営環境に苦しんできたこともあり、これを良い機会として、第2次ITバブル前のスタートアップ経営に回帰することを構想しております。

第2次ITバブル前のスタートアップ経営を見習う

第2次ITバブル期のような資金調達環境になる前、先行投資型でガンガン赤字を掘って売上成長率の最大化を目指していた会社は稀であり、多くのスタートアップが、早期黒字化が可能な事業で安定的な営業キャッシュ・フローを稼ぎつつ、これを原資に先行投資型の事業投資をしていました。

例えば、分かりやすい事例として、株式会社アトラエさんは、IPO時「Green」という黒字事業から生まれる営業キャッシュ・フローを原資に、「yenta」「wevox」というSaaS事業へ先行投資をされていたと記憶しており、このような経営方法を見習っていきたいと考えています。

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出典:株式会社アトラエ「2016年9月期 決算説明会資料」27頁
https://ssl4.eir-parts.net/doc/6194/ir_material_for_fiscal_ym1/105933/00.pdf

シアンで実現したい事業ポートフォリオと持株会社化構想

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上記構想の狙い
  1. 外部資金調達に(過度に)依存しない

  2. マーケティングDX事業の優秀な若手(ヒト)を新規事業に投入する

  3. 多くの社長を生み出し、事業家集団を作る

狙い①:外部資金調達に(過度に)依存しない

黒字事業から生まれる営業キャッシュ・フローを原資に新規事業へ投資をすることにより、外部調達に過度な依存をしない資金繰りを実現したいと思っています。

狙い②:マーケティングDX事業の優秀な若手(ヒト)を新規事業に投入する

シアンのマーケティングDX事業の大半は、20代前半の正社員と学生インターンシップで構成されているのですが、シアンの学生インターンシップ生は、正社員新卒/中途採用ではなかなか採用できないレベルの極めて優秀な素質を持っており、WEBマーケティングというあらゆるITビジネスを始める上で重要な経験を積んだ人材の宝庫です。彼らを新規事業に投入することにより、新規事業の立ち上げスピードを加速すると共に、彼らのキャリアの幅を広げることができると考えています。

狙い③:多くの社長を生み出し、事業家集団を作る

新規事業を子会社として切り出すか、親会社の1事業部として運営するかはメリット・デメリットがあるところですが、「インターネット領域において多くの事業を生み出す事業家集団を作る」というビジョンの1つを実現するためにも、できる限り子会社として切り出して、事業責任者の自主性と裁量を大きくしたいと考えています。

構想初期段階のジョインだからこそ感じるワクワク

偉そうに構想を語らせてもらいましたが、弊社シアンは、まだ最初の黒字事業を育てている、構想の初期の初期段階です。

私は新卒以降、既に事業が出来上がった素晴らしい会社に勤めさせてもらってきましたが、ずっと「他人の成功に乗っからせてもらっている感」が残っておりモヤモヤしていました。今回、シアンにジョインさせてもらった理由は、籔本をはじめとした最高のチームはあるものの、ほぼ全てのことをゼロから始められるワクワク感がたまらないと思ったからです。

成功までの道のりを一緒に楽しんでくれる方に入社してもらいたい

シアンの面接での判断基準を1つ挙げるとすると「既にある環境で成長しよう/お金を稼ごう」と考えているのではなく、「自分の力で環境を作り、成功したい。その過程こそが楽しいんだ」と思っているかという観点を挙げると思います。大企業と比較すると何も整っていない中、入社していただくのは大変恐縮だなと思うものの、むしろ環境を自分の手で整えていくことに楽しみを覚えてくれる人と一緒に働きたいと思っています。

シアンへの入社をお待ちしています!

株式会社シアン 広報

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